<ホンキー・トンキー・クレイジー>
BOØWY"タテのり"SONGの決定打ともいえるこの曲は、ベルリン 録音のアルバム"BOOWY”の先行シングルとして'85年6月1日に発売された。
東芝EMI移籍第一弾シングルという記念すべき作品であり、 帰国直後の赤坂ラフォーレでのライヴでテープによって初めて披露された。
メンバー全員によってたたかれているタムのリズムが全体にわたって 強調されており、この楽曲の核をつくりあげている。
又、女性ボーカルを 中心に多用されているコーラスも大事なポイントのひとつである。
ちなみにこのコーラスの女性はJACQUELINE ROBINSONといい、 たまたまハンザ・トンスタジオの別のスタジオでレコーディングしていたところをつかまえて、
BOØWYのレコーディングに参加してもらった。なお彼女の声は布袋寅泰のファースト・ソロアルバム「GUITARHYTHM」の中でも聴くことができる。
<“16”>
"ホンキー・トンキー・クレイジー”のB面におさめられていたこの"16" はベルリンでのレコーディングの際、一番最後に録音された楽曲である。
シングルにのみ収録され、アルバム"BOOWY”には収録されなかった。
はじめデモ・テープの段階ではこの曲はバラードと、アップテンポのブギ 調の2つの別々の曲であったが、
レコーディング準備の為のリハーサル の段階で一曲にまとめあげられた。
ライヴではほとんど演奏されなかったが、隠れた名曲のひとつといえるだろう。
せつせつと歌う頭のバラードの部分と本編のブギの部分との落差が非常に気持ちよく、一度歌いはじめるとほとんど息つく間のない、肺活量が要求される(?)曲である。
<BAD FEELING>
12 inch Single Version もともとはベルリンで録音されアルバム"BOOWY"に収録された楽曲 であるが、こちらは12インチシングル用にRE-MIXされたVERSION である。
アルバムのテイクをもとにニューヨークのエンジニアであるロ ン・セント・ジャーメインの手によって12インチシングル用のロング・ヴァ ージョンとしてRE-MIXされた。
BOØWYならではのリズム感にあふれたダンス・ナンバーであり、 BOOWYが単なるBEAT BANDではなかったことはこの曲から も明らかである。
アルバム"BOOWY"の中のマイケル・チマリング MIX VERSIONと聴き較べてみるのもおもしろいだろう。
<NO. NEW YORK >
'88年4月5日に東京ドームにておこなわれた BOOWY "LAST GIG"の正に"LAST SONG”として演奏されたのがこのNO.NEW YORKである。
布袋の楽曲の中では唯一メロディーが先に完成された ものであり、数あるBOOWYの楽曲の中でも代表作のひとつと言える であろう。
彼らのデビューアルバムである"MORAL"に収録されてい たが、
アルバム"BOOWY"のリリースに続き12インチシングルをリリ ースする際にBAD FEELINGとのカップリングでこのNO.NEW YORKが選ばれ、
改めて新しくレコーディングされた。この"NO.NEW YORK” のレコーディングが伊豆のスタジオで行なわれた時、
OUR LANGUAGE"という曲も生まれ、同時にレコーディングされ12イン チに収録されたが、この"SINGLES"には未収録である。
<わがままジュリエット>
"ホンキー・トンキー・クレイジー"に続くシングルとしてリリースされたのが、この“わがままジュリエット”である。
それまでのBOOWY SOUNDとはかなり違った色になっているがBOØWYのファン層を大きく拡げた名曲である。
本格的なプロモーションビデオがつくられたのもこの曲からで幻想的なイメージがこの楽曲の魅力をさらに大きなものにした。
歌のうしろに聞こえるシンセの裏メロが本来のコードとは異なるラインでくりかえされているのが非常に効果的である。
イントロ、 間奏のギターのフレーズもシンプルではあるが、印象的に心に残るフレ ーズである楽曲の良さをさらに引き立たせている。
<B.BLUE)>
BOOWYブレイクの引き金となった曲であり、初のベストテンにチャ ートインしたヒット曲である。
初めこの曲は"TRUE BLUE”という タイトルであったが偶然マドンナがその時期にリリースしたアルバムが同名であったため、
"B・BLUE"に変更したという裏話しもあった。 タイトな2・4のスネアとキメのギターフレーズがいかにもBOØWYら しいという感じであるが、
さらに流れるような美しいメロディーがどこか切なく心に響き、BOOWYらしさを強調している。
"ROCK'N'ROLL CIRCUS”ツアーではオープニングの曲として使われ、ファンのド肝をぬいたのも記憶に新しい。
<WORKING MAN>
B・BLUEのB面として収録されたこの曲は正にROCK'N'ROLL という感じである。
マシンガンのようにさえ感じるベースとドラムのスピード感は圧感である。
短い曲の多い BOOWY の楽曲の中でも特に短いもののひとつである。
レコーディングの時初めのアレンジでやったところ2分そこそこで終わってしまい、間奏をのばした結果あのような大迫力のギターソロが 生まれた。
時には暴力的にさえ感じられるほどの勢いが命ともいえる楽曲であり、 ライヴでは必ず欠かすことのできない楽曲であった。
<ONLY YOU>
初のNO.1アルバムである"BEAT EMOTION”からのセカンド・ シングル曲であり、通常アルバムからのカットシングルは売れないという 常識をくつがえしBIG HITとなった名曲。
ギターだけで歌われるヴァースが非常に印象的なはじまりであるがライブではドラムの8ビートの連打が加えられ、よりドラマチックになっていた。
BOOWYのラブ・ソングの中でも"CLOUDY HEART"と 並んで最高傑作といえるだろう。
BOOWYのBEATをつくりだして いたベースの松井のダウンピッキングがさえわたる楽曲であり、これぞ8 ビート・ロックンロールの代表作である。
<Marionette>
BOOWY初のNO.1ソング。この曲の大ヒットによりBOOWYは正真正銘NO.1バンドとなった。
BOØWYの音楽がROCKという範ちゅうをとびこえて、既に最もポピュラーな音楽になっていたことの証明でもあった。
この曲のプロモーションビデオはメイキング編と本編の2種類がつくられ、特に本編の方は演奏シーンとアニメで構成されており話題をよんだ。
この曲はBOØWYの楽曲の中では、特に仕掛けの多い曲であり、"ク レバー、クレバー”というイントロに始まり、いたるところでBOOWY らしい仕掛けが顔をのぞかせている。
サビで歌とギターのリフがからみあってくるのはあの名曲"JUSTY" からの流れでもある。
<季節が君だけを変える single Version>
BOØWY最後のシングルとなった曲であり、アルバム "PSYCHOPATH"からのセカンドシングルカットである。
シングル・ヴァージョンは アルバム・ヴァージョンとは少し異なり、テンポが少し上がりギターが少し足されてRE-MIXされた。
BOØWYがもっていたPOPさの最右翼ともいえる楽曲であるが、イントロ、サビでのコード進行など非常にざん新な試みがされている。
又、BOØWYサウンドのひとつのポイントであったコーラスが効果的に楽曲を盛り上げている。
10代の少年少女の生の表情を次から次へととらえたこの曲のプロモーションビデオは新宿を中心にロケーションされたが鋭く時代を切りとっ ていた。